望みはただ信じたいものを信じるってこと~落日
直太朗が曲を手がけたというので久しぶりに映画の原作本を読んでみました。
重いテーマでしたが読みやすかったんですぐ読めちゃった。
なんていうか…サスペンスって言うほどではないかな。
家族の物語を描いた割とシンプルなストーリー。
ドラマとかで変に入り組んだ展開のものをいろいろ見すぎちゃってるからかな。
ちょっと物足りなかったです。
あ、もうこれで終わりなんだって感じ。
以下ネタバレはしてないつもりですが気になる方は読まないほうがいいかも。
望み原作本のあらすじなど
建築デザイナーの父親とフリーの校正者である母、高校生の娘と息子の4人家族は普通の日常を過ごしていた。
ある日息子の規士が顔にあざを作って帰ってきてから生活は一変する。
規士が外泊するようになり携帯電話もやがて繋がらなくなってしまう。
やがて近所である事件が起こり、規士が関わっていることが判明。
彼ははたして加害者なのか、被害者なのか。
父親と母親で対立し揺れる「望み」。
事件が明るみに出るにつれ様々な感情が入り乱れ…
このお話の中ではなぜか
加害者=生存、被害者=死亡
という前提になってます。
もうそこから既になんでなんって思うわけですよ。
もっといろいろ考えるやろって。
近所でいなくなってるだろうに探しにも行こうとしないしね。
まあその辺を映画ではどういう描き方をしてるのか、堤さんなら面白くしてくれてるのかな。
テーマはそこにあるんですけど、自分の子どもが生きていて欲しいってことで加害者であることを望む母とたとえ死んでいたとしても無実を信じる父親。
信じるって難しいよね。
だって自分自身のことすら信用できないんだもんね。
他人なら尚更だと思うんだけど、一番印象深かったのは規士の友人だけが心から彼の無実を信じてるって言い切ってるんですよね。
確かにこういう人って少なからず存在します。
人間のことなんて全然信用できない自分としたらなかなか興味深いです。
別にずっと裏切られ続けた人生ってわけじゃないんだけども。
信じるというか頼るに近いのかな。
人って当てにしても結局何もしてくれない、自分でやるしかないんだって言う意味の信用しないです。
このお話の中でも信じる、信じないによって自分がどうなるのかっていう思いがあるから苦しんでしまうわけです。
自分たちだけで完結するわけじゃないから他人は他人を攻撃するし、今の時代はその距離が遠かろうが関係ないし。
まあ人間って厄介ですな。
こういうお話を読むにつれ、またしても一人って楽だなと思ってしまいますw
で、最初読み始めた時に父親のことを疑ってごめんなさいw
そういうどんでん返しとかは一切ありませんので。
2016年の小説です。
う~んやっぱりもっと読むならワクワクする要素が欲しいかな。
ただ、直太朗の曲は映画に映えるよなと常々思っていたのでオファーを受けて書き下ろしたって聞いて嬉しかったです。
早く落日フルで聴きたい。
追記:落日ようやく聴けたんだけど若干ネタバレじゃないのかアレ。