人はなぜ小説を読むんだろうかということを真面目に考えた夜~カズオイシグロ白熱教室に学ぶ
最近Eテレが好きだ。
日曜日はクラシックの番組があればずっとそれを聴きながら洗い物や何かをしながら過ごしてるんだけど、その後の番組になんとなく惹かれて見てしまいました。
先日ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんが白熱教室という番組に出ていらして興味深いお話をされていました。(再放送だったらしい)
どこかのカフェ?で大学のセミナーの講義風に学生を集めてのお話スタイル。
なにせ英語で話されてての同時通訳(日本語字幕付き)っていう番組だったのでただでさえ難しいお話が余計難しく感じられて入ってこなかったんだけど、なぜ人は”嘘”ともいえる小説を書き、読むのかということを自身の作品と経験を交えてお話されていたのが難しいんだけどもなんとなくわかるような気で見てました。
ただ事実を知りたいだけならノンフィクションや歴史ものを読めばいいのだと。
だけど人はすべてが作り事だともいえる小説を読みたがるものだ。
それはなぜなのか。
という小説の本質をつきつめようとします。
人が事実を知ったとしても、その時そこにいた人々がどのように考えていたのか感じていたのかということまではわかりえないこと。
小説にはそれが表現できるのだと。
そして読み手が共感したり反感を持ったり感覚を共有できるのだと。
ときには作品全体に隠喩が含まれていたりもする。➡日の名残り (ハヤカワepi文庫)
もし同じような体験をしていたとしたらそれがわかったりもするだろうし、なかったとしても新たな発見があったりするだろうし。
人の持つ記憶というものも作用するのだと。
私の場合は救いを求めてかなぁ。
なので読むジャンルが大体限られてたりもするんだけど、読むことで心が救われるというか。
まあ救われないものもあるけどね。
それが現実逃避の場合もあるし、こんな風になりたいっていう憧れもあるし、逆にこんな風にはならないってのもあるし。
そしてなぜ原作本を読むのかと問われれば。
ドラマや映画で描き切れていない部分を読みたいから。
ということではカズオ・イシグロさんのおっしゃってることとつながるのかも。
もっと登場人物たちと共感したい。って気持ちがあるからなのかも。
ちょうどいまQさまっていうクイズ番組でこの本がスゴイっていうランキングやってていろんな名作が出てくるんだけど、いや~ほぼ読んでないや。(ちなみに1位は夏目漱石のこころ)
ていうか教科書に出てくるような文学作品なので読んだ気になってるっていう。
その中で芥川龍之介の羅生門が出てきたんだけど最近聞いた直太朗の新曲の中で歌詞が
真相は藪の中。
ってあったとおもうんだけどこれ羅生門で書かれた一説でそこからこの意味で使うようになった言葉なんだって。
なんて発見もあったりする。
読書の秋です。
本を読もう。小説を読もうっと。
ちなみにカズオ・イシグロさんの作品でわたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
が綾瀬はるかと水川あさみと三浦春馬でドラマ化してたんだけどドラマは見たのに原作読んでないっていう。
読めばよかった。
暗いお話だったからちょっと避けちゃったんだよね。
そして映画化もされてて、映画の方がより原作には近いらしい。
この方の作品は描かれる手法がちょっと変わってて面白いらしいので手に入ったら読みたい。